
世間では正月といえば明るいイメージだ。
その年の豊穣を司る歳神様を迎えるため門松や鏡餅を飾って、家族みんなが元気で暮らせるように約束をする
年の瀬にもなれば暮れに家族親戚であつまって皆で紅白をみたり、年が明けたら子供達はお年玉をもらったり、恋人同士なら初日の出をみたり初詣に行ったり、仕事に追われたお父さんも正月くらいはゆっくり休んで朝からテレビをみる
とにかく正月はみんなが笑顔のイメージだ
だが新聞配達員は正月に明るいイメージはない
なぜなら一年で一番苦労するのが元旦配達だからだ
今日は元旦について軽く触れていきたい
元旦の配達は何が苦労するって、とにかくチラシが多いことにつきる。
元旦は正月セールなども各地であり、ここぞとばかりに広告を出してくるのでチラシが厚いのだ。本紙自体も特別付録などをつけてとにかく新聞をぶ厚くさせる。
通常はペラッペラの新聞も元旦はちょいとした漫画雑誌くらいに膨らむ
お前ら楽しそうに年明けようとしてるな…新聞配達のうちなんて、絶叫やで…
左・通常のチラシ
右・元旦のチラシ pic.twitter.com/iMaLRGavEx— 燐音@冬コミ1.2日目参戦 (@project_sinra) 2016年12月31日
だいたいチラシは前日くらいに到着して折込スタッフがそろえてくれる。元旦分は一週間前くらいから店にどーんと準備され始める。
年末から「これ配達するのかよ・・」と意識させられる。
販売店が正月用のチラシでギュウギュウ詰めになっているので、年の瀬からプレッシャーをかけられるわけだ(笑)
折込作業も骨が折れる。入れても入れても終わらない。
分厚いので整頓作業(叩き)もしづらいし、昼間しか販売店にいないような専業さんも転送スタッフとして来ていたりして、店中が混雑してるのもストレス。
新聞を積むだけの作業が別のガテン系バイトのような力作業になっている
そのため配達前の段階ですでに疲れてしまうのだ
そしてクソ重い新聞をカゴに詰む
通常配達なら前かごに60、後ろに120はいれられるだろう(人によって違うが)
これが元旦だと3分の1程度しか積めなくなる
何度も販売店を往復したり、何個も転送しないといけないのだ。
ちなみにチラシは同じ厚さでも紙質によって重さがかわる。
ペラペラの紙で広告を作ってる場合、厚さに比べ重さはさほどない。逆に写真付きのカラー用紙を使ってる広告は同じ厚さでもどっしりと新聞を重くする
元旦は言うまでもなく、どっしりと重い(笑)
手がかじかむような寒さの中でその新聞を積んでいく作業もタフな作業となってしまう。ここまでで普段の配達日なら前半が終わってるくらいの時間になっていることだろう
そしてここからが本番、出発だ。
まず当然のこととして、普段の倍くらい配達時間がかかる。
つまり寒い中、倍の時間居続けなくてはいけないということ。
普段はやく配れるからといって毎日の配達とおなじ格好すると元旦は凍えてしまう。一枚くらい多めに羽織ったりフェイスガードを着用して寒さ対策を万全にしておこう。
やることはいつも通りに新聞を配るだけだ。
しかしここまで分厚い新聞だとポストの投函口に入らない
少しハミだすように入れたり、チラシと新聞を別別にして入れたりと一部一部苦労しながら消化していく。他紙と併読している読者の家ではもうパンパンになっているので投函しようがない。もうこうなるとビニール入れて床においたりするしかなくなる。
ここで気を遣って元旦配達用のカゴでも置いてくれるお客さんの家があると心が和む
また普段は人通りがない路地や、車の往来がないはずの道も気を付けて走ろう。元旦だと参拝やコンビニに行く通行人が急に飛び出してくることがある。
バイクの運転にはいつも以上に気を付けよう。
管理人のいた販売所には元旦から接触事故を起こした専業さんがいた。正月から事故とかこの先一年が思いやられる。
そして部数を持ち運べないのですぐ新聞がなくなり何度も販売店を往復する
この往復作業が厄介だ。寒いのもあるが、入れる家を見落としてしまうのだ。
なぜなら元旦は新歓と約切れが一年で一番といっていいほど多い。しかも年末年始は帰省による留守止めも多いので、往復してるうちにどこに入れるか頭が混乱してしまうのだ
店によっては慣れてる配達員にも元旦だけは順路帳を持たせる。
元旦から不着・誤配はしたくないもので、一軒一軒確認しながら配らなければならないのだ
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最悪なのはマンションだ。
集合ポストは通常ポストより手狭なので元旦の新聞は入れることができない。チラシと別別に入れる、もしくは少し挟んでぶら下げておくしかない。これも他紙併読の家だと非常に厄介だ。
そして直接玄関ポストまで届けるタイプのマンションもこれはこれで大変だ。
新聞が重いので手に持って移動するのが非常に堪えるのだ
通常10数部なら手に抱えて持ち運べる新聞も、元旦だと5部持ち歩くだけで手が痛くなる。
これが30部以上ある大型マンションだと手に負えなくなる、配り終えたあとはもう片手の感覚がなくなるくらい腕が疲れているだろう。
管理人的元旦攻略法
管理人の元旦攻略法は台風回で書いた方法とほぼ同じである
→ 台風配達の記事
ようは、元旦や台風、大雪、悪天候の日だけは配達中大好きなコーラを飲もうが、スニッカーズをかじろうが、肉まんを食べようが、なにをしてもいい、という自分ルールを設定してる。
ハンター×ハンターの制約と誓約のようなものか。
そのかわり、通常配達では水かお茶しか摂取しない。
話はズレるがちょっとメタボってきた管理人は巷で流行りの糖質制限をはじめた。食にたいして無頓着だったこともあり、主食が食えなくなるのはあまり辛くなかった(肉や魚は食えるしね)
しかしコーラ大好き人間のため、コーラを断たれるが辛かった。

話を戻そう、その食事制限を元旦など特別な日だけ解除する。
配達中疲れたら好きなだけ飲んでもいいし、腹が減ったら買い食いしても良い。
外は寒いのでコーラも常に冷え冷えの状態で飲むだけで体力が回復する
これは結構効果的である。
久々に食すチョコレートは「こんなうまかったっけ」と改めて実感する。おせちもお雑煮もいらないから、よっちゃんイカや酢だこ三太郎をたらふく食いたい気分だ
普段より2、3時間くらい時間を要するだろうか。
配達が遅い人、部数が多い区域は朝まで朝になっても終わらない。何度も何度も往復し、ようやく配達が終わってくれる。普段なら暗いうちに帰れる配達員も元旦の場合は明るくなるはずだ。
元旦新聞無事配達終わりましたー
6時間もかかりました( ; ; ) pic.twitter.com/MTdfQzwAYI— ゆうぐま🐟 (@honeyworks___1) 2016年12月31日
身体はもうヘトヘトである
そんなつらいつらい元旦配達だが好きなことが2つだけある
ひとつは帰りに初日の出を見る瞬間である。
普段は寄り道はしないが、ちょっとバイクを路肩にとめ景色のいいところで初日の出を拝む
「あー元旦の配達やっと終わった」という達成感と「これからまた新しい年が始まるんだな」という高揚感で初日の出を見届けるのが非常に気持ちいい。
心は安らぐし、正月から頑張った労をねぎらってもらった気さえする。
もう一つが社長からもらうお年玉だ
アルバイトはボーナスがもらえないが正月は販売店に戻ると社長が来ていてお年玉もらえたりする。昔働いてたところでは社長が太っ腹で毎年2万円をくれた。次に働いた店は社長がしみったれでお年玉をくれることはなかった。そーいうケチな店は長く続けず辞めるに限るね(笑)
こんな感じで元旦配達が終わる。
元旦配達のアドバイス
- 折込が力作業になる
- 寒さ対策は普段よりも万全に
- 新聞がポストに入らないぞ
- 新勧・休止・留守止め多い
- 人の往来が増える
- マンション配達が普段よりキツイ
- お年玉は貰っとけ
翌日は休刊日なのでぐうたら過ごして体力を回復する。夕刊がないのが唯一の救いだ。
始めたての半人前配達員も、元旦を無事こなすことができたら皆から一人前の配達員として認めてもらえるのだ。
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金もらうためのクソ労働するために肉マン代やコーラー代がかかるって本末転倒じゃん
どんな仕事でもお金を稼ぐにはランニングコストはかかります。
正月の折り込みチラシが店内に所狭しと置かれていて、今からビクビクしてますw
アドバイスにあるように、コロナ禍とはいえ人の往来が増えると思うので、焦らずいつも通りの運転を心がけたいと思います。
自分も配達中に好きな物を食べたり、配達後のご褒美を用意しておいて、それを糧にして初の正月配達を乗り切ろうと思います。
あと数日で元旦配達ですね。
今年は例年より冷え込むらしいので、普段以上の防寒対策を忘れずに。
多少遅くても苦情来ないので、休み休みで安全運転を心がけてください。