ニートの初新聞配達

前回の記事ではパチスロニートの管理人が葛藤はあったものの、新聞配達住み込みを決意するところまで書いた。今回はニート状態の管理人の新聞配達初日。

引越しでクタクタだったので運んだダンボールを開かず、すぐ寝た。

翌日昼過ぎに販売店へ初出勤。13時前にはもう夕刊が店に到着してる。従業員がたけのこ状にしてカブに新聞を積んでいる。街中の販売店は夕刊の部数が多い。

(次に地方の販売所で配達したら夕刊の部数が少なくて驚いた)

最初に働いたこの店は40歳以上のオジサン達で構成されてる。20代の若者は管理人ともうひとりの専業T氏だけ。周囲の従業員にぎこちない挨拶をすませたあと眠そうな顔した主任にバイクのカギを渡され、カブの練習。バイクに関しては長年乗っているのですぐ慣れた。しかしマイカブは、錆びが目立ち、フゴフゴとフケも悪く、塗装もハゲていて、これからの新生活へのモチベーションを高めてくれる代物とはいえなかった。

やがて主任が専業のT氏を連れてきた。

オジサンだらけの販売店の中で管理人と唯一年が近い男である

Tクンが順路教えるから
今日は彼の後ろについてって
T氏と走る初の新聞配達

「よろしくな。つっても俺普段通りに配るけど、見ておぼえて」

とT氏。順路帳を片手に彼の走りのあとを追う

管理人は同じ区域の朝刊夕刊を配ることがきまっていたのでポストの位置やおおまかな仕事の流れを教えてもらうのだ。言ってみればT氏は管理人の師匠的存在である。だがT氏はメモをとる管理人を待つことはなく、指でポストの位置の合図したらマイペースで次へ次へとひた走る。

身長170弱で小太り、天パ頭のT氏の配達はとにかく雑だった

スピード優先の彼はポストへ丁寧に投函せず新聞をぶちこみ、標識無視は当たり前、人気のない通りではノーヘルやくわえタバコをしたり、あまり見習いたい配達員ではなかった。パチ屋で隣にすわったら台を殴ったりしそうな彼は、たまに階段の家があると管理人に新聞を差し出し

「3階の右のドアに入れてきて」

という感じで辛い家だけ管理人を走らせる。

忘れられないコーラの味

区域をおぼえたら全部一人で行かなきゃいけないのでおぼえるためには仕方ない

とはいえ普段運動をしなかった人間が幾度も階段を往復させられるのは体力的にキツかった

偉そうな物言いも妙に感じ悪い

担当地域は勾配がきつめで坂がおおく、場所によっては連続で階段が続いた。しだいに汗だくになり肩で息をするようになる。休憩を挟む間もなくT氏はさっさと走るのもイライラを加速させた。秋のシーズンだが日差しがキツく吐き気もする。太ももと腹の感覚がない。ゲロとクソが同時に漏れそうだ。何よりキツイのが順路帳がまだ半分以上残っている。これから配りに行かなきゃいけない列挙された名前の数々が管理人の心を折った。

ナ・・・ナマけてぇ・・・もうバっくれてぇ・・・!

パチスロをやりながら清涼飲料水をがぶ飲みする生活をしてきたツケだ。メダル一枚が等価交換で10円、新聞配達だとあのクソ長い階段をのぼってようやく同じ10円。汗水垂らして稼ぐ大変さを知った。T氏が積んだ新聞が3分の2くらいになった頃だろうか

すいません・・・ちょっと休ませてもらっていいですか

汗だくになった管理人はしゃがみこみ、T氏に泣きを入れた。ヘタレだと思われてもいい、ヘトヘトで身体が限界だった。

ここでなにかネガティブなことを言われたらバックれてたかもしれない。半分辞めてもいい気持ちだった。そんな管理人の心情を顔色で察したのかT氏は、何も言わずバイクを止め、近くの自動販売機に足を運び

「何飲む?」

とジュースをおごってくれた。コカコーラ。感じが悪かったT氏が神におもえた。走り回ってノドはカラカラだったんだ。ありがてぇ。あのとき飲んだコーラの味は一生忘れられない

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うめぇっ!なんだこりゃっ・・・!

身体中にエネルギーが行き渡る。炭酸なのに無限に口の中に放り込めそうな気がする。口から溢れたコーラが上着を汚してるがそんなのはどうでもいい。棒だった足は感覚をとりもどし、立ち上がる気力すらなかった太ももに力がはいる。T氏は携帯をいじりながらタバコをよゆーの顔でふかしている。あれだけ歩き回って汗ひとつかいてないのか、と専業のタフさに関心もした。(ま、辛いとこは一人で行かされたんだけど笑)もう4時前になっていた

ありがとうございます、これでまだ走れます

「あぁ、もう終わるよ」

え?

まだ順路帳には残りの名前が沢山残ってる。どうやら残りはマンション地帯であり、集合ポストで一気に配り終えることができるようだ。そーいうことか。なまじみえてる名前の数々が不安を煽っただけで、終了間近だったのだ。それがわかっていれば心も折れることはなかったかも。

それと飲み物を配達中飲んではいけないと勝手におもっていたが、配達員はノドがかわいたら自由に飲んでいい。熱中症でぶっ倒れてしまうし、思えば当たり前だ。カゴの横には飲み物を入れるスペースが備わっている

「お疲れ」

お疲れ様でした

「じゃあとは空回りな」

こんな感じで管理人の配達史上2番目に辛かった初日の夕刊が終わった。T氏とは長く続ける上でいろいろ軋轢もあったが、あの時のジュースだけは本当に感謝している。久々の汗だくの運動、翌日全身筋肉痛になってたのは言うまでもない

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